ボクシング映画『BLUE/ブルー』が面白すぎる。ぜひ観て欲しい。
ボクシング映画「BLUE/ブルー」が予想以上に面白かったのでブログで紹介することに。
ボクシング映画はいくつも観てきましたが、そこまで面白いと思う作品は少なかったです。
ただ、この作品は声を大にして言えます。めちゃくちゃ面白い。
まずは作品の紹介。
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監督・脚本:吉田恵輔
キャスト:松山ケンイチ、東出昌大、木村文乃、柄本時生、竹原ピストル
・ボクシングを心から愛し、負け続けるボクサーの瓜田(松山ケンイチ)が主人公。
・瓜田の後輩でセンス抜群で日本チャンピオン目前の小川(東出昌大)
・瓜田の幼馴染であり、小川の結婚相手の千佳(木村文乃)
・格好つけるためにボクシングを始める楢崎(柄本時生)
この4人がメインの話です。
一般的なボクシング映画とは違って、主人公は弱くていつも負けています。
それでもボクシングが好き。
強いのがお約束のボクシング映画。それとは無縁。
これがおじさんの心を掴んだ1番の要因です。
そして、以下の6つがおじさんが感じた作品の魅力です。
「リアルなボクシングの世界」
先ほども言いましたが、センスがなく弱い、それが主人公です。
勝てる人は一握り。敗者がほとんど。これが現実。
どんなにボクシングが好きでもどんなに努力しても勝てない、結果がついてこない。しかもプライベートも上手くいかず。何も報われない。あまりにもリアルで残酷です。嘘がない。
観ているだけで痛々しくなりますが、だからこそ共感でき、感情移入できます。
「無理に泣かせない、感動を押し付けないストーリーと演出」
ボクシング映画というと、いじめられっ子が見返すためにボクシングを始めたり、怪我や病気で選手生命の危機に陥ったボクサーが奇跡の復活を遂げたりってのが一般的だと思います。
しかし、ブルーはそうしたストーリーではありません。
「自分と向き合う」そんな内容の作品です。
いくつも死亡フラグはありましたが、最後まで誰も死ななくて逆に驚きました。普通なら死んで涙を誘うところも一切なし。
やろうと思えばできたのに、あえてしなかったところに好感を持てました。
「ほら、ここで泣けよ」みたいな演出も嫌いではないですが、この作品には今回の方が合っていたと思います。
「最初から最後までノンストレス」
演技・テンポが悪かったり、役者の演技が気になったり、カメラワークが微妙だったり、音楽が合わなかったり、色々な理由でストレスを感じる作品ってありますよね。
BLUE/ブルーにはそれがありませんでした。
もちろん人によって感じ方は違うので、気になる点はあるかもですが、おじさんはストレスなく最初から最後まで観れました。
こんなにノンストレスで観れた作品は珍しいかも。
全てがいい感じでまとまっています。
そのため、時間が経過するのが異常に早かったですし、疲れもなかったです。
「シリアスとギャグのバランスが絶妙」
シリアスばかりだと疲れるし、ギャグが多いとくだらなく見えるし、結構バランスは重要だと思います。
このバランスが絶妙でした。
しかもギャグセンスが高い。そこでそんなセリフを入れたら絶対に笑うだろってシーンがいくつもあります。
ところどころにギャグを入れてもシリアスな雰囲気はそのまま。上手いです。
「恋愛がいいアクセントに」
恋愛要素が多いと陳腐に見える、でも全くないと汗臭くなりすぎる。
全面に恋愛が出ていなくて、いいアクセントになっています。
言うなれば漫画の「タッチ」みたいな感じです。
あだち充作品に近いかも。
野球と恋愛のバランスがちょうどよく、万人ウケする内容。
BLUE/ブルーは、映画というよりも青春漫画のような印象を受けました。
「キャスト選びが大成功」
いいキャストだと思いました。
松山ケンイチ、東出昌大、木村文乃、柄本時生などみなさんの演技が素晴らしかったです。
リアリティのある自然体の演技がこの作品の質を高めています。
ストーリーにも演技にも嘘を感じず、とことんリアルを追求している。
中でも松山ケンイチと柄本時生の演技力には脱帽。心が熱くなりました。
そして、ラストの松山ケンイチに惚れました。
あの終わり方、あのラストシーンにはグッときました。
『報われない努力も美しい』そう感じずにはいられませんでした。
原作なしのオリジナル作品とは思えないくらい素晴らしい映画でした。
みなさんにもぜひ観てほしい一本です。